ホーチミン(1)市内観光

ホーチミンは、カンボジアをまたがる広大な平野を背に、そして肥沃なメコンデルタを足元にその身を置き、サイゴン川が市内を大きく蛇行して流れています。そして700万人近くにも及ぶ多くの人が暮らすホーチミンはベトナム最大の、最高に楽しい都市になっています。

ハノイは政治の中心地ですが、この街は国の経済の中心地で、誰もがビジネスや金融についてそれなりの心得があります。タクシーの運転手も最新のジョイントベンチャーの規則について詳しく話すことができたりするし、シャツの製造業者も海外の顧客とeメールで連絡を取っていたりします。

「時は金なり」で、人々はみな何かと時間に追われている様子です。でも、会話はまるでパン屋さんと銀行員がカフェで話し合うかのような素朴なトーンで話し合っています。

この街が車でごった返すようになる前から、サイゴン(現ホーチミン)は「アジアのパリ」と呼ばれていました。街にはすでに広い大通りがあり、立派な街路樹も植わっていて、フランス式の豪壮な別荘もあったのです。

漂うコーヒーやパン屋さんの香り、そして環状交差点を走る古いフランス車のクラクションの音を聞いていると、一瞬パリにいるのではないかという錯覚すら覚えます。

ホーチミン市内を見て回るなら徒歩がベストでしょう。一番メジャーな観光地はやはり1区です。タクシーにはきちんとメーターも設置されていて、運賃もとても安く、市内を回っても2,3ドルくらいなものです。セオム(バイクタクシー)はさらに安いですが、シクロ(三輪自転車タクシー)は乗客は一人しか乗れないし、遅いし、乗り心地もいまいちです。

でも、ホーチミンの地元の雰囲気に直に触れるには、シクロはなかなか魅力的なものでもあります。ただ残念なことに、シクロはサイゴン(ホーチミン)中心部からは徐々になくなりつつあり、値段も高くなっています。

ホーチミンの見どころ
ホーチミンの観光リストのトップに入るのがアメリカ大使館と聞くと驚くでしょう。そうだとしても、まずは動物園入り口近くのベトナム歴史博物館に向かってください。この気取りのない、古びた臭いのする博物館には、ベトナム有史以来2千年の工芸品の数々が、同じく古びたショーケースに収められています。ほんのわずかな時間訪れるだけでもホーチミンを歴史的な観点から学ぶことができるでしょう。

博物館には水上人形劇もあり、土産物ショップもリーズナブルで充実しています。博物館を出てルユアン大通りから統一会堂へ向かってみましょう。

統一会堂は、南ベトナムのグェンヴァンティエウに9年間使われていた旧大統領官邸です。無数の観光客が正面入り口付近で記念写真を撮っていますが、中に入る人はほとんどいません。1人で訪れることがあったら、自分が大統領になったつもりで官邸内を回るのも良いかもしれません。

地下の作戦指令室の壁にいまだ貼られている地図を見ると、「敵」がどれほど近くにいたのかということを思い知らされます。最上階にはステージや大きなベランダのあるダンスールームがあります。その下の階には豪華な応接室や図書室、ゲーム室、映写室があり、なんとも好き放題だったのだなと、南ベトナムの敗北の理由を感じずにはいられません。

統一会堂から数ブロック進んだところに旧アメリカ大使館だった場所があり、現在そこにはアメリカ領事館が建っています。旧大使館が取り壊される前は、門のところに立つことができました。米軍のヘリが助けを求める南ベトナム市民を屋根から救出し、一方ではフェンスの外に押し寄せた何千という市民が押し合いへし合い叫んでいる様子が目に浮かびます。旧大使館はアメリカにとっても大きな傷跡となりましたが、近年取り壊しとなりました。

次に訪れてほしいのが、ベンタイン市場です。そこでは、車や不動産以外何でも手に入れることができます。買い物をすることで人々の生活が垣間見えるとしたら、ベンタイン市場の小さな露店がひしめく中を歩いているだけで現代のベトナム人の生活のユニークな面を知ることができるでしょう。フードコートで売られている地元の名物はどれもとても美味しくて、やみつきになります。市場の建物を囲む歩道では、地元の農産物や花、肉類なども売られています。

ホーチミンのチャイナタウンであるチョロン地区を訪れるなら、1日取れないとしても午後から半日くらいは時間を取ると良いでしょう。サンフランシスコやロンドン、ニューヨーク、バンコクのチャイナタウンと並び、チョロン地区はとても古くからあり、サイゴン(ホーチミン市)の中でも興味深いエリアです。チョロンは「大きな市場」を意味し、その中で最初に訪れる場所としてお薦めは、圧倒的な規模のビンタイ市場です。

たいてい暑くて混雑していますが、一見の価値ありです。驚異的な品揃えで、さらに、これぞまさにベトナム人の生活という雰囲気を肌で感じられます。フレンドリーに交渉すれば20~40%はおまけしてくれます。

美しい仏塔がホーチミン市には多くありますが、中でも面白いのがグェンチャイにあるギアアンホイクアン寺です。施された装飾は一見して最高峰のものだとわかるでしょう。天井からはおびただしい量の渦巻き状の線香がぶら下げられ、まるでクリスマスツリーのお化けのようにも見えます。敷地内の壁を日陰にして静かにたたずんでいれば、訪問者が少しだけ立ち寄って手短に祈りを捧げていく様子が見られます。

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